有本とオオマシコ

学生生活が始まった  

阪急京都線沿線に移り住んで数年後、京都市内にあるR大学に進学することになった筆者
は、そのまま沿線を行き来する学生生活が始まった。朝のラッシュ時の阪急電車は、猛烈
生活やビジネスに必要なもの
に混んでいる。特に特急乗換駅の高槻市駅では、相当気合を入れないと乗り込めない。そ
れでも何とかなったのは、「押し屋」と呼ばれるバイトの男の子達がいたおかげだ。もう
一人も乗れそうもないというくらい混み合っていても、彼らは、何とか隙間を見つけては
押し込んでいく。乗客の体が収まり切るまで、ドアが締まらないようにしっかりと支え、
入った瞬間に手を離して飛び去る。そのタイミングとスピードたるやほとんど名人技だ。
このバイトに筆者の大学のサークルの後輩も加わっていた。彼は押し屋のバイトのせいで
、一限目は必ず遅刻していたようだが、別に学業に大きな支障は無かったようだ。今は、
どの大学も出欠が厳しく問われ、学生たちは大忙しであると聞くが当時は大らかな時代で
あったからなんとかなったのだろう。